ゔぇにおの日記(仮)

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実写映画「アラジン」感想(ネタバレ含)

素敵な物語を忘れてしまうのが嫌なので感想を記しておきます。

まず、私の特に好きなシーンを挙げ、それを中心に私がこの物語に感じた印象を記します。(記憶違いや認識の誤りを含む可能性があります)

 

1

小さな船の上で、子供たちに父親が物語を聴かせるところから物語がスタートします。ここから宙を舞う絨毯と共に舞台がアグラバーへと移るのですが、まずこの演出が好きでした。

実際に空飛ぶ絨毯に乗っているような浮遊感が心地良かったです。身体全体に訴えかける演出って、物語の中に吸い込まれているみたいで好きなんですよね。

2

アグラバーで(いつものように)コソ泥を働いたアラジンが衛兵から派手に逃げまくるシーン。

アサシンクリードを彷彿とさせる軽快なパルクールが本当に気持ちいい。アグラバーの治安の悪さや経済的な困難も伺えます。

3

ジャスミンの腕輪を返すために彼女の部屋まで忍び込んだアラジンが去っていくシーン。

アラジンが去った後ジャスミンが扉の方を2回振り返る仕草が本当に可愛らしくて良かった。アラジンとの最初の別れからはどこか冷たい印象があったのですが、一気に魅力的な印象になりました。

ジャスミンの侍女ダリアとアラジンの初顔合わせでもあります。このダリアがまたいいキャラしてます。一番好きなキャラです(顔もいいし)。

4

アリ王子とジャスミンの最初の謁見のシーン。

とにかくアリ王子がどうしょうもないです(こいつ本当に誠実な男か?)。このシーン以外でも全体的にギャグを外しておらず、うすら寒い印象は全く受けませんでした。

5

ジーニーとダリアの対面のシーン。ここが1番好きかもしれません。

先ほどの謁見のシーンではあれほどアリ王子の不慣れな言動に呆れ返っていたジーニーが、ダリアを目の前にすると落ち着かなくなってしまいます(やっぱ好きなんすねえ!)。ダリアもジーニーからの誘いが嬉しく、扉を閉めてジャスミンにのみ喜びを表現するのですが、その様子が本当に可愛かった。

仕える者であるこの2人の、彼ら自身のためのストーリーがちゃんと描かれていて安心した部分もあります。“幸せ”が誰かと結ばれることとは限りませんが、2人には幸せになって欲しいと、このシーン以降はずっとそう思って見ていました。

6

ランプから解放され人間になったジーニーとアラジンのハグ。

このシーンの直前まで、4のシーンのフレーズを再利用したコミカルなやり取りがあるのですが、その直後の熱い抱擁。泣けるシーンの直前がコミカルに彩られていると、涙の多幸感がヤバいんですよね...

7

ジーニーがダリアに想いを告げた後、冒頭の船上のシーンに戻るところ。

改めて、船の上にジーニーとダリアがいます。

冒頭のシーンが回収されているだけなのですが、幸せな2人が確認できて嬉しくなりました。

 

他にも、空飛ぶ絨毯くんの可愛さ、圧倒的歌唱力から繰り出されるミュージカルパート(特にジャスミンによるspeechless)、ボリウッド臭漂う迫真のダンスシーンなど好きな要素は無限にあります(一応頑張って厳選したつもり)。

 

一方、疑問に思った箇所もあるので紹介します。

 

まず、アラジンが洞窟から脱出するために魔人の力を利用したものの、ランプをこすっていなかったのでノーカウントになった箇所。

これはジーニーが自分自身のために力を使いそれにアラジンが相乗りした形として処理されました。しかし、本来魔人はランプをこすらないと出て来ないはずのものであり、実際アラジンが(“願う”ためではありませんでしたが)ランプをこすったためにジーニーが出てきました。こすって願うという一連の動作はアラジン自身が行っていたわけです。「まあ初回だから」と大目に見ているところもあるのでしょうか。そうなると叶えられる願いが3つだけという制約が何に依るものなのか分からなくなります。

 

次に、アラジンを蘇生したシーン。

「蘇生」はジーニーでは叶えられないものの1つですが、アラジンの生前の日付で願いの申請書(?)を作成したことで生きている人間の“生きたい”という願いを叶えたことにして処理しました(アラジンが死亡していたかどうかは定かではありませんが、生きていたなら日付をいじる意味はないはずです)。しかし、これをやってしまうと蘇生禁止ルールが形骸化してしまう気がします。まあこれをやらないとここで物語が終わるのですが。

 

そして、アリ王子の正体がジャファーの手によってジャスミンに明かされるシーン。

ここでのジャスミンの反応が若干疑問でした。2人が空飛ぶ絨毯に乗って夜のアグラバーを旅するシーンの終わりに、ジャスミンはアリ王子がアラジンであることを見抜いています。その直後ダリアに「泥棒と結婚できないからアラジンを王子だと思い込んでいるのでは?」と指摘されつつも、アラジンを王子と信じることを決めたと明かします(王子が泥棒ってのどうかと思うが)。しかしアリ王子の変装が解かれたシーンでの彼女の反応は、あたかもアリ王子がアラジンだと知らなかったかの如きものでした。「やっぱり王子じゃなかったか...」と落胆することはあっても、あの驚きの表情は些か疑問でした。(ただこれに関しては特に、筆者が何か記憶違いしている可能性が大いにある。)

ただ、このようなはっきりしない点が不満だというわけではなく、考察の対象としては非常に面白い話題だと思います(今度これ単品で記事書くかも)。

敢えて不満を挙げるとすれば、サルタン直属衛兵隊長のストーリーや彼自身の言葉をもう少し聞きたかったかなというところ。国王ジャファーに抵抗するシーンにて彼の生い立ちがさらっと語られますが、取ってつけた感が若干気になりました。

映画を見終わった後の多幸感は、流石ディズニーといったところ。起承転結の“結”がかなりしっかり描かれていて、しっかり登場人物の幸せな姿を見送ることができる点がディズニー映画の特徴だと思います。(尻すぼみな文章になってしまった...)